普段着が着物の人ってなんだか素敵ですよね。
近頃は洋服と同じ感覚で洗濯できる、お手入れしやすい素材の着物もあるので洋服や小物と組み合わせて、和装でちょっとしたおでかけを楽しむ人も増えています。
しかし、ご実家を片付けていたら大量に着物が出てきた…という方や、昔は凝っていたが動きやすい洋服のほうが楽なのでもう着ないという方、お茶やお花などの着物を着る習い事をやめてしまった方など、古い着物や着ていない着物を処分したいと考える方も多いのではないでしょうか?
買うときは決して安くはない着物。どうせなら、高く売りたいと考えるのは当然ですよね。
そこで今回は、着物や和服をなるべく高く売る方法をご紹介していきたいと思います。
着物は「高く売れない」というイメージがありますが、ちょっとしたコツを踏まえて査定に出せば、査定額が大幅にアップすることもあるかもしれません。
そもそも着物の種類って?
高級なレストランにTシャツやジーンズなどのカジュアルな服装では行けないのと同じように、着物にもTPOに合わせた「格」というものがあります。
「振袖」は成人式や大学の卒業式のイメージがあるけど、他の着物の種類が分からない…。という方でも、まずはこちらの一覧を見ていただければお手元の着物の格がどのようなものかわかると思います。
第一礼装(最礼装)
まず第一礼装とは、結婚式やお葬式など特別な式典のときや、公式の儀式などの際に着る着物のことです。
第一礼装の中にも、
- 打掛(うちかけ)…白無垢や色打掛といった、花嫁衣装でおなじみの着物
- 黒留袖(くろとめそで)…既婚女性が着る着物の中で一番格が高い着物。新郎新婦の母親か、仲人のみが式の際に着用
- 振袖(ふりそで)…未婚女性の第一礼装はこの振袖です。袖が長く、振るようにして歩くためこう呼ぶ
- 黒紋付(くろもんつき)…いわゆる喪服です。柄はなく黒一色で、背中と両方の後ろ袖、両胸に一つずつ紋が入っている
の4種類の着物があります。
略式礼装(準礼装)
第一礼装の次に格式が高いのが、略式礼装です。お呼ばれで行く結婚式や、子どもの入学式・卒業式など、フォーマルな場面で着ることが多い着物のことを指します。
略式礼装にも
- 色留袖(いろとめそで)…既婚・未婚を問わず着用できる、カラフルで華やかな着物。紋の数で格が上がるので注意
- 訪問着(ほうもんぎ)…こちらも未婚・既婚どちらでも着ることができる。全体に柄が散っているのが特徴。お宮参りや七五三、入学式などの子どものセレモニーや、友人の披露宴などに
- 付下げ(つけさげ)…訪問着に次ぐ格の着物ですが、見分け方が難しい。パッと見て華やかなら「訪問着」、控えめなら「付下げ」。
- 色無地(いろむじ)…名前の通り、色の付いた無地の着物。織りによる地紋がないものはカジュアルに使える
という幅広い種類があります。
外出着(がいしゅつぎ)
こちらは少しよそゆきのワンピースくらいの感覚で着ることが多い着物です。
全体に柄や模様が散っている小紋や更紗は比較的カジュアルなものが多いですが、布地を糸で縛ったり器具で挟んだりして布を染め分けて模様を出す「絞り」はとても価値が高いとされています。
普段着(ふだんぎ)
洋服の普段着と同じ感覚で着ることができる、動きやすくお手入れも比較的簡単な着物です。紬や絣、ウールや木綿など、様々な素材で織られていますが素材によっては高価なものもあります。
着物を売りたいと思ったときには、まずその着物の「格」を確認し、格が高いものや価値の高い「絞り」の着物があればまずは査定をしてみると良いでしょう。
高値がつきやすい着物
着物の保存状態にもよりますが、買取額が高く付きやすい着物は
- 有名作家や人間国宝などの作家物
- 色留袖・黒留袖などの留袖
- 振袖
- 加賀友禅・京友禅などの友禅染
- 訪問着
- 付下げ
- 大島紬・牛首紬などの紬
などになります。
成人式などでおなじみの振袖は、一般的には親が子へ新品のものを買ってあげることが多いですが、1回着たらほとんどもう袖を通すことは少ないため、中古でも状態がいいものが多いため人気があります。
訪問着も、結婚式や七五三など様々なイベントを通して着ることができるので人気が高く、高価買取が望めるでしょう。
着物買取はデザイン性が重視されることが多いですが、実家に眠っていたという着物はとにかく状態が勝負なので、いずれ売ることを考えているなら正しい保管方法でしまっておくか、売りたいタイミングで早めに売ることをおすすめします。
正しい相場で着物を売るためには必ず「相見積もり」を
着物を売りたいと思った時、すぐに手放したいからと、家の近所にある買取店に持ち込んで終わり、ではもったいないです。
正しい相場もわからずに1社だけに言われたままの金額で売ることになってしまうので、もしかしたら損をしているかもしれません。
できるだけ高く着物を買い取ってほしい!という方は、多少面倒でも、最低3社くらいに査定してもらうのがおすすめです。
これは「相見積もり」「あいみつ」と呼ばれ、着物に限らず中古で何かを売る場合はよく見られる行為なので、特に失礼にはあたりません。
どんなところに着物を査定してもらえばいいの?
着物を売りに出すときは複数のお店に見せてみたほうが良いことはわかりました。では一体どんなところに見てもらえば良いのでしょう?
着物の買取店を選ぶ際に気をつけたほうがいい3つのポイントをお教えします。
着物に詳しい査定員がいるか
様々な商品を取り扱っているリサイクルショップなどでは、着物の知識があるスタッフが織らず、価値がわからないため二束三文で買い叩かれてしまう可能性が非常に高いです。
着物専門の買取店や骨董を取り扱っている店であれば、着物の知識を有した専門の査定士が対応してくれるため、見合った価格をつけてくれるはずです。
キャンセルが無料か
思い出の着物を手放してしまったけど、家に帰ってから思い直し「やっぱりやめます」となることも十分考えられますよね。そうしたときにキャンセル料をとるようなお店ですと、後で「やっぱありあの着物を返して」となったときにトラブルになってしまいますよね。
ホームページなどにクーリングオフについてや、キャンセル無料という記載があるかを確認しましょう。
査定料が無料か
「今はまだ売る気はない」「とりあえず金額だけ聞いてみたい」という方も多いはずです。多くの買取店は見積もりだけなら無料と記載があるところも多く、メールやLINEで気軽に査定ができるところもあるので、活用してみると良いでしょう。
写真を撮って添付するだけで、だいたいの買取価格を教えてくれます。
着物を売る方法はこの3つ
着物や和小物を売りたいと思った時は、状況に応じて3つの方法を選ぶことができます。
出張買取
出張買取では、自宅までスタッフが査定に来てくれます。家にスタッフが来るのを待っていればいいだけで何もする必要がなく、一番手間のない方法です。
買取店が近くにない場合や、大量にあって自分では着物を運べない時、また着物の他にも買い取ってほしいものがある方などにおすすめです。
店頭買取
お店が近くにある方は、ショップに着物を持ち込んでみるという店頭買取もおすすめです。直接持ち込むため買取店側の人件費や運搬費が発生しないので、持ち込みボーナスをつけてくれるお店も。
宅配買取
箱に着物を詰めて、家から買取店まで送るだけで査定を依頼できる宅配買取も人気です。箱などのキットは申込みの際に無料で送ってくれるところも多く、自分の空いた時間でいらない着物を箱に詰めて送るだけでいいためこちらもおすすめです!
コロナ禍の情勢を鑑みて外出を控えているという方も多いですし、査定員を家に上げるのは不安という方にも安心ですね。
着物を高く売るポイント
着物を少しでも高く売りたいのなら、以下の点にも気をつけましょう。
証紙は捨てないで取っておく
その着物の身分証明書とも言えるものが「証紙」です。証紙には作家名や産地、原材料やどのような染め方をしたかなどが記載されています。
これを着物と一緒に査定員に見せれば、どのくらいの価値があるかがわかるため正しい金額が付きやすいのです。証紙は着物と必ずセットで見せるようにしましょう。
小物も取っておき一緒に売る
着物は単体で着るものではなく、季節やTPOに応じて帯や帯留め、かんざしや下駄などの和装小物と組み合わせることで様々なコーディネートを組むことができます。
ですが着物や帯を単体で売りに出したときに比べ、和装小物はサイズも小さい分金額がつきにくく、単体で売ると数百円程度しか値がつかないことも。
そのため、帯留めだけ、かんざしだけ、と査定に出すよりも、着物とセットで買い取ってもらったほうがまとめて高値がつくことが多いです。
まとめ
古き良き日本の民族衣装とも言われ、海外でも「KIMONO」として注目を集めている着物や和服。
今回はそんな着物が不要になったときに、どこに売ったら良いか、また売るときに気をつける点は何かについてご紹介してまいりました。
もし自分にはもう必要がなくなったものだとしても、まだその着物を求めている人がいるかもしれません。
ただ捨ててしまうのではなく、できるだけ次に必要としている人に届くように活用できるといいですね。